全身持久力測定(直接法)を東京体育館の健康体力相談室で初体験。トレッドミルも初体験。
全身持久力測定までの成り行き
ランナーたるもの、1度は全身持久力測定しておきたと一念発起してだいぶ前に全身持久力測定できる機関を調べながらも何故か電話をかけるまでに至らなかった。
たまたま2017年5月6日土曜日に田中宏暁教授の『賢く走るフルマラソン』を読んで、久々に正確に自分の持久力を知りたいという欲が頭をもたげてきた。
ガーミン フォアアスリート® 920XTJ ホワイト / レッド+ガーミン ハートレートセンサーHRM-Runが推計するVO2 Maxとの整合性も知りたかった。
東京都で全身持久力測定をやってくれる機関は分かっていたから最近どうなってるか知りたくて東京体育館ウェブサイトで内容確認。
それで5月7日日曜日、直近なら5月9日火曜日に全身持久力測定を実施することが分かった。その日になったら良いなーと思いながら東京体育館に電話。
まあ、以前読んだウェブページの記憶だと即予約で埋まるらしいから、とりあえず空いてる日を聴いて予約日を決めようという腹積もり。
「直接法で全身持久力測定の予約できる日を教えてください」
そしたら受付がなんと「5月9日どうでしょう? たった今1名空きが出ました」と日程を告げた。
なんというラッキー。
思わず受付に、
「これってラッキーですよね?」
と聞いてしまった。
そしたら、
「大変珍しいですね」
とのこと。
突然夢が叶った……というより自分が受け入れる時がきたって感じ。
持ってるな〜俺(笑)。
ワクワク感増しまし。
補足。バイクかトレッドミルどちらで全身持久力測定するか聞かれた。ランナーだからトレッドミル一択。測定当日、施設でも再確認された。
補足2。裸足やサンダルでは走れない。室内履きシューズ必須。そこで長く履いてないZEM O2 Ninjaを洗って履くことにした。ソックスはタビオ 全天候型トレイルランソックス オールウェザードライ 5本指 25~27cm 57:オレンジ。
全身持久力測定をやってる東京体育館健康体力相談室入室まで
2017年5月9日火曜日。
東京体育館に向かった。
17時20分ごろ、東京体育館右にある「サブアリーナ フィットネスアリーナ」という施設エントランスに入る。
この時点で思い出した。
(俺っていつもテスト系はとても緊張するんだった。しかも初めてきた場所、初めて会う人たち……ああ、もう緊張してる)
ワクワク感が緊張感に変化した。
エントランスにある椅子に座って落ち着こうとしたけれど駄目。匙を投げて開き直る。笑うしかない。
17時30分前に受付で予約してる旨を伝えて1,650円払って入場カードとレシートをもらった。
その時、受付のお嬢さんから「健康体力相談室に入ったらスタッフにレシートを渡すように」と告げられる。全身持久力測定に行くランナーはレシートを紛失しないように。
ゲートに入場カードを通して奥にある更衣室を目指す。
更衣室内は履き物厳禁。ルナサンダルを脱ぐ。
更衣室ロッカーの扉内側の指示書き通りの場所に入場カードを置く。
そして着替え。
タオル、ペットボトルの炭酸水、メモ帳、ボールペンを入れた袋を持って、更衣室を出てZEMを履いてトイレを探
うろうろ。
トレーニングルームにいた係員に全身持久力測定室とトイレの場所を聞いてまずトイレに。
それから─全身持久力測定予約時間が18時だったが─落ち着かないから17時40分にトレーニングルーム奥にある鉄の扉を開けて全身持久力測定を行う健康体力相談室に入った。
白衣の人々、トレーナー、各種装着……それらを見て胸がざわざわ。緊張感アップ。
全身持久力測定前問診と検査
18時前に声がかかりスタート。緊張が高まる。
問診から終了までの流れ、「東京体育館健康体力相談室<全身持久力測定のご希望の方へ>」の説明とそれへの署名、所定の用紙にこれまでやってきた運動や現在行なっている運動等を書いたり、それに基づいて質問を受けたり。
「裸足で走ってます」
と言ったら驚いていた。
「足腰が強いんですね」
「(ZEMを見て)そのシューズは?」
「だいたい1回のランニングで何キロ走ってますか?」
等々質問を受けた。
これから検査だと測定前検査が悪いと全身持久力測定ができない場合があると思うとさらに緊張が高まった。開き直ってるつもりでも体は正直だ。
次に安静時血圧や身長と体重、体脂肪測定。
その次が心電図。心電図検査が終わると全身持久力測定に必要な装置を腰に巻き、複数の電極を体の所定位置に貼ってくれた。以下、装着や取り外しに関する記述が出てきたら医師やトレーナーがやってくれると思って良い。
最後に肺活量。洗濯バサミのような鼻栓をするから息苦しい。
そして判定。
眼前でトレッドミルで全身持久力測定している状況を見ながらベテラン男性医師の判定を聴く。
安静時血圧が高い等2点心配な点があったが、全身持久力測定できる事になった。
因みに5月1日の高尾山裸足トレイルランニング後に立ち寄った京王高尾山温泉 極楽湯で測った安静時血圧が106 / 64。今回はなんと正常範囲を超えて145 / 86の高血圧。所謂白衣高血圧ってやつか。毎日起床時と夕食前に体組成計で脈波伝播速度も計測していて血圧正常範囲内なのに。
安静時心拍数は59だった。
自宅だと正常血圧でも病院では血圧が高くなるランナーは気をつけて。白衣着た人だらけだから白衣高血圧が出やすい。確か白衣の人4〜5人、ジャージ姿のトレーナーっぽい人は2人くらいだったと思う。医師に毎日の血圧測定結果を見せると良いと思う。
待望の全身持久力測定
トレッドミルに上がる前に装置を腰にきつく巻き直し。
トレッドミルに上がって鼻と口を覆う呼吸用のカップを装着。空気の漏れがないか確認。走行中に下を向くと空気が漏れるから下を向かないように、計測中は医師から指示があっても声を出さないようにと指示された。
次にトレッドミル上での作法を学ぶ。
まず指示された一定の位置を保つ事。
呼吸はランニングでは一般的な細かく「吸う吸う、吐く吐く」等ではなく、「吸う、吐く」で。
測定を自分から止める時には片手を上げ、その後、手摺りに捕まって脚を広げてトレッドミルのベルトから脚を外す練習。
なんでやるかというと、呼吸用カップを装着していて下が見えないから。感覚で覚える。
ここまでで1時間以上経っている。
さあ、測定開始。プロアスリートになった気分。
実はトレッドミル初体験。これでますます緊張が高まった。
ここから先の数値に関しては、帰りにもらった資料を参考にしながら書く。
トレッドミルに立って静止した状態で呼吸数、心拍数、血圧を計測。帰りにもらった記録を見たら計3分間で1分づつの数値が載っている。
測定をしている女性の先生から謎の指示その1。「もう少し普通の呼吸をしてください」、「呼吸する時間を短くして回数を増やしてください」等指示されて不安増大でさらに緊張。心臓がキューッと縮まった。
ここから4分間ウォームアップ。ゆっくりベルトが動き出す。「時速4km」。それに合わせて脚を動かした。
緊張からか、シザースの動きが下手くそになってた。次回はトレッドミルでもっと上手くできるようになってやる。
ここでも謎の指示その2。ベテラン医師からもう少し歩幅を広くしてほしいという要望があった。
そして謎の行動。サージカルテープで電極を補強された。
(俺ってなんかやばいの?)
緊張感マーックス!!!
ウォームアップから全身持久力測定本番へ移行。時速4kmからベルトの速度が少しずつ速くなっていく。
下を向けられないからどれくらいかわからないけれども、トレッドミルの傾斜も知らない間に少しずつ高くなってくる。
とにかくベルトの速度に合わせて走るしかない。それでようやく少し集中できた。
ベテランの男性医師が若手の女性医師に数値の見方を教えている声が聞こえてくる。
負荷が高まってくる中でベテラン医師の落ち着いてはいるが高いトーンで興奮した声が聞こえてきた。数値的に良いらしい。
最後の時速は9km、傾斜は確か18%だった。
「もうこれ以上頑張れない、力を出し尽くした」か、医師から数値上これ以上頑張れないと判断されたら止めようか。
逡巡して結局呼吸がもう少し頑張れるけれどもそこそこ苦しい呼吸になって脚も張ってきたところで手を挙げた。そして脚を開いてベルトから外した。
ベルトが止まった。
ベルトの上で足踏みを指示される。これがクールダウン。
この時、体に異常がないか聞かれた。
呼吸用カップを外す。
装置を操っていた女性医師から、
「(トレッドミルに乗った)最初の方が緊張してましたよね」
と言われて頷いた。
ボルグスケールを出され主観的運動強度を聞かれた。17(見せられた表ではきついとかなりきついの間になっていた気がする)。
数値的に心拍が落ち着いた時点で椅子に座わるように指示された。
その後、トレッドミルから降りて、前の人の説明が終わるまで椅子に座って自分の番を待つ。
全身持久力測定時の謎の指示と行動の意味は?
全身持久力測定後、謎の指示と行動の意味がわかった。
謎の指示その1の意味。トレッドミルの立位時で1分間の呼吸数が7回で少なすぎたそう。運動処方してくれた女性医師から「(1分間に)7回で通常あり得ない。たぶん太極拳や気功をやっていたからだと思います」と言われた。
参考までに最大呼吸数は40回。他人と比較してないからわからないが、低い方かもしれない。
謎の指示その2の意味。歩幅が狭すぎ
数値がぶれるのだそう。1分間に180回の歩数を心がけてるからそれが仇になった。遅いのに歩幅広げたくないよな、シザースができなくて蹴ることになるから。裸足ランナーとして。
謎の行動の意味。謎の指示その2と関連していて、数値のブレをサージカルテープで体に密着させて少なくしたようだ。
全身持久力測定結果は?
生データのプリントアウトを見ながらベテラン医師から待望の結果拝聴。
医師から処方を聴きながらメモ書きもできるから、自分の結果を見ながら疑問に思った点を医師に質問して答えをメモると良い。
以下要点。
VO2 Max(最大酸素摂取量)が51.8で同年代の基準値の225%、心拍数172。ガーミン フォアアスリート® 920XTJ ホワイト / レッド+ガーミン ハートレートセンサーHRM-Runの推計値より少し低い。
ATが47、心拍数158。同年代の基準値の115%。
つまりランナーとして高パフォーマーの部類に入る。
ATを心肺能力の指標とする場合、ATまでの心拍数が高くなる。
もうかなりパフォーマンスが上がっているのと、年齢的に飛躍的なパフォーマンスアップはないとも指摘された。
特殊なトレーニングなしにそもそもないと思っていたパフォーマンスがあったことに驚いた。
懸念材料は2点。
1点はもう少し病院で詳しい検査をして問題なしなら次回以降の全身持久力測定ができるというもの。どんな検査が必要かも教えてくれる。
希望すれば無料で循環器専門医への紹介状も書いてくれる。
もう1点は血圧。今回の計測結果では安静時も高い血圧でトレッドミルでの計測でも運動高血圧だったから、AT内でも高い心拍数でのランニングは厳禁という。
ベテラン医師から所見を聞いた後、別の部屋で腰に巻いた装置を外してもらった。
次に最初の部屋に戻って女性医師から運動処方を聞いた。
「うーん」
どの切り口からアドバイスして良いか悩んだ様子。
呼吸回数が極端に低くて、高パフォーマーで、なぜか血圧高くて……。
以下要約。
少ない呼吸数は効率が良いと問われれば効率が良いそう。
肺活量は正常。年齢、性別、身長から得られる%肺活量が基準値の116.6%。70%以上であれば正常とされる1秒率が81.5%。
パフォーマンスアップについては、鼻と口の両方を使って換気量を増やす事を勧められた。
「ウォーキングでもランニングでも鼻呼吸です」と言ったら「ランニングも鼻呼吸なの?!(あり得ない)」という顔で驚いていた。
「だって汚い空気を口から吸うの嫌じゃないですか」と言ったものの、パフォーマンスアップするには鼻と口を使って換気量を増やすしかないらしい。
今回の血圧の結果では、インターバルトレーニングは勧められない。
もしかしたらフルマラソンで自分のVO2 Maxの数値から予測されるマラソン完走時間で完走できないのは、この2つの理由があるからかもしれない。傍証から速筋寄りの筋質でもあるし。
最後に「東京体育館・健康体力相談/健康・運動豆知識」測定法や主要指標の説明)、「全身持久力測定測定相談(直接法)」(まとめみたいなもの)、生データ等のコピーを含む合計8枚の資料を封筒に入れてもらって退出。
その後、更衣室に併設されている浴室で汗を流して着替え。
エントランスでペットボトルの水を買い、持ってきたウイダーinプロテインバー グラノーラを食べながら水分補給。
落ち着いてから東京体育館を後にした。
ここまでで20時30分を過ぎていた。
全身持久力測定から得られた結果から考えた今後のトレーニング方針
田中宏暁教授が勧めるニコニコペース─AT(LT)の心拍数─で1回につき30〜60分裸足ランニングを試みる。実際にはAT以上になるとまずいからATより少し低い心拍数になる。
また、田中宏暁教授がサブ3.5やサブ3というパフォーマンスアップで勧めている週70キロ(月間280キロ)は、単純に週7回で1回10キロで70キロとわかりやすい。短時間で走れて疲れにくくて試しやすいと三拍子揃っている。
それで体調が悪ければもっと低い心拍数120〜130台で上記の時間ランニング。
ランニング時に潔く鼻と口の両方で呼吸をして換気量を増やす。感覚的に鼻呼吸だと内圧が高まる気もするから、口と鼻で呼吸しながらランニングしてみて感じが変わるか試したい。
例え白衣高血圧だったとしても、状況によって─たぶんマラソン大会スタート前も緊張しているのがわかる─血圧が高くなる懸念があるし、運動時高血圧という場合もあるから、血圧を下げる方策を調べていろいろ試してみる。
全身持久力測定はお勧めか?
全身持久力測定を受けてよかった5つの理由。
- パフォーマンスの実測値がわかり、医師からアドバイスを受けられた。
- 今回VO2 MaxとATの実測値を測定して、主観(ボルグスケール)と客観(実測値)の擦り合わせ、ガーミン フォアアスリート® 920XTJ ホワイト / レッド+ガーミン ハートレートセンサーHRM-Runでの推計値との擦り合わせができてよかった。
- 簡易的な前検査ながらもパフォーマンスを阻害している要因もあぶり出された。
- 客観的な数値としてランナーとして今後のマラソントレーニングの方針を即決定できた。
- 本格的な装置と時間かけた検査と測定ながら費用的に1,650円とリーズナブル。
上記の5つの理由から、全身持久力測定を、自分の悪い点と良い点を客観的に知ってマラソントレーニング計画の参考にしたいランナーにお勧めする。