『ジョコビッチの生まれ変わる食事』（ノバク・ジョコビッチ、三五館）読了。
副題は「あなたの人生を激変させる14日間プログラム」。帯には「テニス界絶対王者が語る『人生好転・肉体改造のための設計図』何を、どう食べたらいいのか？」。
『ジョコビッチの生まれ変わる食事』には、ジョコビッチ選手が試合中の体調不良を克服し、健康的に体重を減らして体の反応が速くなり、世界一を勝ち取った方法が書いてあります。
それだけでなく私もランニングで高強度のトレーニングを主にしています。高強度のトレーニングでは脂質よりも糖質が使われる割合が高くなります。
ですから高強度の運動をし続ける場合に必要な食事（食材、栄養、摂取法）、運動、メンタル向上、ケア、睡眠、時間の使い方等の考え方、実践法をジョコビッチ選手から盗む意識で読んだらとても参考になりました。
以下、概要。
序章「私を生まれ変わらせた食事 ーわずか18カ月でドン底から世界王者へ」から第三章「オープンマインドになるだけで体は変わる ーあなたの人生を激変させる14日間」は自伝的な内容に食事法が絡んでいく経緯が書いてあります。さまざまなトレーニングやコンディショニングを行ったにも関わらず、ここ一番という時に世界一の夢を阻んでいたのは食事だったという衝撃的な内容。
第三章「オープンマインドになるだけで体は変わる ーあなたの人生を激変させる14日間」72ページにジョコビッチ選手は不耐症の特定と体の変化についてこう書いています。
自分が何に対して過敏で不耐症があるのかがわかると、大した努力もせずに劇的な変化をもたらすことができる
不耐症を特定してそれを避ける食事をすると肉体や思考に変化を与える大きな力になってくれるということ。だからさまざまなトレーニングやコンディショニングを試しても調子が悪い場合、不耐症の有無と特定を試してみたら、という提案してます。
ジョコビッチ選手は検査の結果、小麦や乳製品、トマトに不耐症がみつかりました。それでどうした、というのが第四章「あなたの動きと思考を邪魔するもの ー頭と体を密かに鈍らせているものの正体」。どんな食べ物を避けたらいいのか？ どんな食物を摂ればいいのか？
第五章「食事に関する、私のルール ー勝利するための食卓」では、食物をどう摂ればいいか。115ページの言葉によるとジョコビッチ選手の食事法の秘密が本章にあります。
もし、私の食事について " 本当の秘密 " を知りたいのであれば、何を食べているかを聞いてもダメだ。どのように食べてるかを聞いてほしい。
第六章「圧倒的成果を出す、思考のトレーニング」では、マイナス感情を上手に手放すためにジョコビッチ選手独特の「マインドフルネス」の方法を説いています。次に睡眠について163ページで私たち読者にこう語りかけています。
健康を約束する3つの大切な習慣のうち2つは良い食事と適度な運動なのだが、睡眠が一番無視されがちだ。
あなたはどうでしょう？ 充分な睡眠をとっていますか？ この後、ジョコビッチ選手は充分な睡眠のとり方を書いています。
第七章「誰でもできる簡単なフィットネスプラン ービジネスにも日常にも活かせるエクササイズ」には、ジョコビッチ選手の時間の使い方やお奨めのダイナミック（動的）ストレッチやケア方法、ヨガの紹介等。
この後、付録①「王者のレシピ」、付録②「おすすめ食品ガイド」、「実際に本書を実践しての訳者あとがき」、解説①「小麦断ちがこんなに効果を上げるワケ 白澤卓二（順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授）」、解説②「プロテニスプレーヤーが見るジョコビッチのすごさ 杉山愛インタビュー」、と続いて『ジョコビッチの生まれ変わる食事』を閉じることになります。
『ジョコビッチの生まれ変わる食事』を読みこなしたたければ、糖質制限という枠を外して読んでください。高強度の運動をしている選手は食事にどんな糖質をどう取り入れているか、という観点から読んでみてもおもしろいでしょう。
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